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当苑の生活リハビリとは?



生活リハビリとは!

『寝たきりは寝かせきりから作られる。』と言われています。病気やけがの治療の為に寝ていなければならない(起きてはいけない)人もありますが、それはほんのわずかな人です。ほとんどの人は起こして座らせてあげれば、椅子に座ることができます。洋式トイレやポータブルトイレに座らせてあげれば、おむつの中にするより排便しやすくなります。食事も寝たまま食べるのではなく、椅子に座って食べるとむせにくくなります。そして大事なことは、食事や排泄などの時にベットから出るというのは当たり前のことだということです。みんな普通にやっていることなのです。
私たちは入所者の方々にそんな当たり前の生活を送っていただけるよう援助してゆくことが生活リハビリだと思っております。そして誤嚥性肺炎や褥瘡などの廃用性症候群はほとんどなくなり、何よりも入居者の方々が生き生きとしてこられるのを実感しています。

座って食べよう!

寝たまま食べたり、ベッドを起こして食べる姿勢では、うまく噛めず、むせやすくなります。背もたれのある安定したいすに座って、足のかかとをしっかり床に足をつけます。床に足を付けた姿勢のほうが身体が安定するだけでなく、唾液の分泌量が増えて食事が進むのです。少し前かがみになった姿勢が飲み込みやすく、高齢者の食事に適しています。                      
車椅子に座ったままだと、お尻が下がってしまい、前かがみの姿勢がとりづらく、その上足が床につきません。車椅子はあくまでも移動の道具。椅子に移って食べることを実践していきます。
3大介護とは
1. 座って口から美味しいものをたべる。
2. おむつでなくトイレに座って排泄する。
3. 機械浴ではなく、浴槽につかる。
介護職員より
私たちは、人の人生に関わる仕事をしている。自分が考えたこと、やったことで相手が笑顔になり、出来なくなっていたことが出来るようになることも沢山あり、やりがいを感じます。さらに未来や、老いとの付き合い方まで教えてもらえる、こんな楽しい仕事はないのではないだろうか!
特養の3Kとは!
三好春樹氏によると、
『感動がある。工夫が生かさせれる。健康に良い』です。

くりや苑のリハビリについて

くりや苑では、開苑時より作業療法士1名が機能訓練指導員として勤務していましたが、平成30年4月より理学療法士が1名増員となりました。現在、理学療法士2名が入居者さんの生活リハビリを行っております。
入居者さんの生活の場としてある特別養護老人ホームくりや苑では、病院や老人保健施設のようなリハビリ室はありませんし、訓練に必要な器具もありません。なぜなら、自宅にいて日々の生活をする中で、意識的に「訓練をする」ということはほとんどないと思われるからです。「訓練をする」ということは大変きつい思いをしなくてはなりません。
きつい、苦しいと思うことなく、日々の生活をあたりまえに無理なく安心して暮らしていただきたいと考えています。
そこで、くりや苑では主に以下の視点でリハビリを捉えています。
① 身体を動かすことで生活のリズムを整え、寝たきりを予防
生活は、「食事」、「排泄」、「入浴」の3つに集約され、これは3大介護と言われています。生活をしていく中で、例えば「ベッドの上で誰かに食べさせてもらう」ことと、「テーブルについて椅子に座って食べる」では、後者の方がよりあたりまえであると思います。このあたりまえに少しでも近づけるように、まずベッドから離れて座ろうという取り組みをはじめました。
「ベッドから車椅子に座る」「車椅子から椅子に座りかえる」ときに2回ほど立ち座りの動作を促し、また、トイレに行けばその都度「便座に座りかえ」「車椅子にもどる」と2回ずつ立ち座りの動作が増えます。 入浴の際には「服の脱ぎ着」「車椅子からシャワーキャリーへの座りかえ」「浴槽への出入り」など複合的な動作も必要になります。このように、日常生活の中で身体を動かすことで生活のリズムを整え、寝たきりを予防することをまず第1のリハビリとしています。
② 自分で意識的に身体を動かす

つぎに、自分で意識的に身体を動かすということも大事です。誰かにやってもらうリハビリより、自分でやるリハビリの方がより効果が大きいです。そこで決められた曜日、決められた時間に各ユニットに療法士が訪問して体操をしています。
また、月に1度全ユニットを対象に地域交流室にて集団リハビリもしています。前に立って声をかけながら療法士が行い、その動きをみながら真似をするように自分で動かせる範囲内で運動をする。自分で動けなくてもその場にいて、いつもと違う雰囲気のなかで過ごすだけでも繰り返し参加するうちに自然と身体を動かしたくなる気持ちが出てくれることを期待しています。これが第2のリハビリです。
また、自分で動くことのできる方には、介護職員にも協力してもらい個人向けの体操を作成し、療法士が関わることが出来なくても運動が出来るようにもしています。

③ 療法士が他動的に身体をほぐします
しかし、そうした生活をしていても自分ではどうしても動くことの出来ない方もいらっしゃいます。そういった方々には、動くことが出来ないことによる関節拘縮の進行や、褥瘡の発生を予防するために療法士が他動的に身体をほぐします。これが第3のリハビリとなります。
手指の曲げ伸ばし

手指の曲げ伸ばしをしているところです。
廃用症候群や脳卒中後遺症などがあると手が握ったままになって開くことが難しくなることがしばしばあります。 握ったままになってしまうと汗でむれて皮膚が剥がれにおいがきつくなることもあります。手を他動的に開くリハビリをすることで手の中の部分を洗うことができ、これらを改善することができますし、なにより清潔を保てるようにもなります。
足の曲げ伸ばし

足の曲げ伸ばしをしているところです。原因は様々ありますが、特に廃用症候群でベッドにずっと寝たままでいると膝や股関節が曲がったままで伸びなくなってしまいます。足が伸びないと寝たままの姿勢でも曲がった膝が左右に倒れて腰回りにも余計な力が入ってしまいます。余計な力が入るとその部分の筋肉が固くなり、さらに動きにくくなってしまいます。
動きにくくなると、同じ姿勢が続くことになり、お尻や腰、かかと等に床ずれ(褥瘡)が出来てしまいます。自ら動くことが難しい方々に対し私たち療法士が、他動的に関節を動かすことで周囲の筋肉を伸張したり、関節そのものを徒手的に動かすことにより、関節拘縮やその進行の予防を行っている場面です。
④ 良い姿勢づくり
他にも、悪い姿勢でいることで、余計な力が入り続けしまい筋肉が固くなり関節を動かすことができなくなってしまう拘縮の発生を予防するために、ベッドで寝ている姿勢を良くするポジショニングに車椅子や椅子に座っている姿勢を良くするシーティングもしています。
姿勢づくりをしていく中で様々な道具を使いますが、既製品では高価であるものや身体に合わないものもあります。なるべく安価で身体に合うように道具の工夫、作成もしています。

膝が曲がったままで伸びなくてフットレストに足を乗せることができない方に、フットレストの代わりに足を乗せる台を作りました。

膝が伸びたままで曲げられなくてフットレストに足が乗せられない方に、フットレストの長さを長くしてみました。

首が後ろに倒れやすく頭が安定しない方に、頭を後ろから支えられるようにヘッドレストを作りました。
⑤ 個別リハビリの実施
生活リハビリで足りない方に対しては、個別リハビリを実施しています。

①日頃は、車いすで過ごしている方も平行棒を用いて歩く練習をしています。
歩くことで足の筋力を維持・向上を目的として寝たきりになるのを予防しています。生活の質の向上にもつながります。

②プラットホーム(治療台)を使ってリハビリをしています。
関節を動かすことで拘縮の予防になります。
⑥ マッスルスーツを購入しました

マッスルスーツを使い移乗を行っている所です。
マッスルスーツとは、介護や重作業などの現場作業で使用されており、移乗や、荷物の上げ下ろし、前傾姿勢での作業の際にマッスルスーツを使うことで腰の負担が軽減するという機械です。

くりや苑では、医師、看護師、社会福祉士、介護福祉士、施設ケアマネージャー、生活相談員、管理栄養士、そして理学療法士に作業療法士と様々な職種がそれぞれの専門性を発揮して、入居者さんの日々の生活を手助けさせて頂いています。
介護の主役は介護福祉士を中心とした介護スタッフ達です。我々療法士も介護スタッフの代わりに手助けにも入ります。リハビリだけでなく、そのほかの職種の関わりも、当ホームページでご覧いただければと思います。