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ユマニチュード


当苑ではユマニチュードを導入しております
ユマニチュードとは、フランスのイブ・ジネフとロゼット・マレスコッチにより開発された、フランス語の造語で「人であることを尊重する」という意味です。

知覚、感情、言語による包括的ケアの技法で、様々な機能が低下して他者に依存しなければならない状況になったとしても、最後の日まで尊厳を持って暮らし、その生涯を通して『人間らしい』存在であり続けることを支える為に、ケアを行う人々が対象者に『あなたのことを、大切に思っています』と言うメッセージを常に発信する。つまりその人の人間らしさを尊重し続ける状況こそがユマニチュードの状態です。高齢者と認知症に効果があると言われています。

今までの認知症のケアのあり方は、安全を守り、機能を維持し、清潔や栄養状態を保つことを重視してきました。その結果、転倒しないためには可能な限り座位か臥位を継続してもらおうとする。

これによって、動かないことを強いるため、苛立ちを強め、いよいよ我慢が出来なくなり立ち上がると、『座って下さい』と制止される。何一つ思うようにならない苛立ちから文句を言う。別の職員からは『お風呂に入りますよ』と腕を引っ張られると、拳を振り上げるとBPSDとみなされる。

これが繰り返されると、ケアの度に必要以上に押さえつけられ、時には抑制帯や薬物を使って動きを封じ込まれる。そしていよいよ、激しいBPSDに移行するか、あきらめ、絶望して意識を自分の中に閉じこめてしまう。

これが認知症のケアと言えるだろうか?日本のケアのあり方が、常識と思われることが苦痛を強いている可能性に気付かねばならない。

ケア方法

人間の尊厳を取り戻す為に、『見る。話す。触れる。立つ』の4つのことが必要です。
BPSD(behavioral and psychological symptoms of dementia)とは、認知症の行動と心理症状を言う
見つめる
同じ目の高さは平等を、正面からは正直や信頼を、近くからは優しさ親密さ、長くは友情、愛情 を表現する。
反対は、垂直は支配や見下す、横からは攻撃、遠くからは関係性の薄さ、短い視線は恐れや自身のなさを表現する。

◆ 老化が進むと視野が狭くなります。正面から見つめて目線を合わすこと、驚かさないように接することが大切です。
話しかける
優しく、ポジテイブに気持ちいいね、暖かいね、、等と繰り返し途切れなく話しかける。(いやだよねえは駄目)
触れる
広い面積で、ゆっくり、優しく。不安がないようにふれる。腕を掴んでは駄目。
立つ
歯磨きや体を拭くときにも出来るだけ立ってもらう。筋力の低下と視界を広める。立つと頭に入る情報量が増える。安静は1週間で筋力の低下を来し、5週間で筋力の50%を奪うと言われている。

心をつかむ5つのステップ

ケアをする人の存在に気づいてもらい、この人とは良い時間を過ごせると感じてもらうための効果的なアプローチがあります。これにより認知症の方々の多くがケアを穏やかに受け入れるようになり、特に向精神薬の使用量が減少することもあります。
以下の心をつかむ5つのステップで行います。
1. 出会いの準備
自分が来たことを告げて相手の反応を待つことが大切です。相手を驚かせないこと。
2. ケアの準備
ユマニチュードの『見る、話す、触れる』の技術を使う。
所要時間は20秒から3分、3分以内にケアの合意が取れねばケアは後にする。
3. 知覚の連結
常に「見る」「話す」「触れる」のうち2つを行い、その複数の情報を矛盾させないようにする。また知覚を繋げることが大切です。
4. 感情の固定
ケアが終わり、気持ちのよい時間を過ごしたことを記憶にしっかりと残し、次回のケアに繋げる。
『この人は嫌なことをしない』という感情印象を残すことが大切です。
シャワー気持ちよかったね、僕も嬉しい。一緒にいて楽し、うれしかったとやや大げさな言葉や笑顔で表現する。ポジテイブな感情記憶を残すように努めて、お互いの『絆』を確認する。
5. 再開の予約
ポジティブな何かを約束したこと、この人はまた来てくれるという期待をもつ感覚を感情記憶に留めてもらいます。
再開の具体的な日時も伝えます。記憶ができない人の場合は書き留めておけばいつでも約束を確認することができます。

5つのステップで3分頑張っても同意を得られなかったら、一旦去り、人を変えたり、中止する ホンダ美和子、イヴ ジネスト ロゼット マレスコッテイ著 医学書院より

その他

病院から当苑に入居された方は、病衣から昼間は着物と夜はパジャマに変わり、ベットでの食事からリビングでの食事、食前体操やリハビリなど生活リハビリを通して、最初は戸惑う方が多くいますが、2~3日すると慣れて、身体機能と精神機能の回復が著しい方が多くいます。当苑では、最後は平穏死を看取ります。